神経が圧迫されているだけが、本当の原因なのでしょうか?
~元気グループが「全身を診る」理由~
前回は、脊柱管狭窄症の代表的な症状である「間欠性跛行(歩くと痛くなり、休むとまた歩ける症状)」についてご紹介しました。
「なるほど、だから歩いていると痛くなって、休むと楽になるのか。」
そう感じていただけた方も多いのではないでしょうか。
では、ここで一つ考えてみてください。
もし『神経が圧迫されていること』だけが原因だとしたら、同じように脊柱管が狭くなっている人は、全員が同じ症状になるのでしょうか?
実は、答えは「いいえ」です。
MRIやレントゲンで脊柱管が狭くなっていても、痛みやしびれがほとんどない方もいれば、画像上では軽い狭窄でも、歩くことがつらいほど症状が出ている方もいらっしゃいます。
つまり、「神経が圧迫されている」という事実だけでは、すべての症状を説明することはできません。
なぜ人によって症状の強さが違うのでしょうか?
元気グループでは、この違いには「体全体のバランス」が大きく関係していると考えています。
例えば、同じ脊柱管狭窄症と診断された方でも、
- 長時間のデスクワークが続いている方
- 猫背や前かがみの姿勢が習慣になっている方
- 骨盤の傾きが大きい方
- 股関節の動きが硬くなっている方
- お腹や背中のインナーマッスルが弱くなっている方
では、腰にかかる負担や神経への刺激の受け方が異なります。
その結果、症状の現れ方や回復のスピードにも違いが生まれるのです。
「同じ脊柱管狭窄症でも症状が違う理由」

左側:姿勢・骨盤・筋力が良い
→ 神経への負担が少ない
→ 症状が軽い
右側:姿勢不良・骨盤のゆがみ・筋力低下
→ 神経への負担が増える
→ 症状が強くなる
痛い場所だけを見ても、本当の原因は見つからないことがあります
「腰が痛いから、腰だけを治療する。」
一見すると自然な考え方ですが、実際には腰だけに原因があるとは限りません。
例えば、
股関節の動きが悪くなると、その分を腰がかばうようになり、腰への負担が増えます。
骨盤が前後や左右に傾いていると、歩くたびに腰や神経へ余計なストレスがかかります。
さらに、背中(胸椎)が硬くなっていると、体をスムーズにひねることができず、その負担が腰へ集中することもあります。
つまり、症状が出ている場所と、本当の原因がある場所は必ずしも同じではないのです。
元気グループでは「歩き方」まで確認します
当院では、初回の検査で痛い場所だけを見ることはありません。
患者様がどのように立ち、どのように歩き、どのような動きで症状が強くなるのかを確認しながら、
- 骨盤のバランス
- 胸椎や股関節の動き
- 筋肉の緊張
- 姿勢のクセ
- 日常生活での体の使い方
などを総合的に評価します。
それは、「痛みを一時的に和らげること」だけではなく、これから先も安心して歩ける体づくりを目指しているからです。
「元気グループの全身評価」

「旅行へ行きたい」「孫と歩きたい」を叶えるために
私たちが目指しているのは、「脊柱管狭窄症」という病名だけを見ることではありません。
患者様一人ひとりが、
- もう一度旅行を楽しみたい
- お孫さんと手をつないで歩きたい
- 買い物を最後まで自分の足で楽しみたい
- 趣味の家庭菜園を続けたい
そんな日常を取り戻すことです。
だからこそ、症状だけではなく、その方の生活や目標まで含めて一緒に考えることを大切にしています。
次回予告
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
「神経だけではない原因」があることをご理解いただけたでしょうか。
では次に気になるのは、
「脊柱管狭窄症と診断されたら、手術しか方法はないのでしょうか?」
という疑問ではないでしょうか。
次回は、
『手術しかない?脊柱管狭窄症でお悩みの方へ』
というテーマで、
- 手術が勧められるケース
- 保存療法という選択肢
- 元気グループが考える改善への道筋
について、わかりやすくご説明します。







